3分間
草木染めでは染色と媒染の作業を15〜30分ずつ何度か繰り返すのだが、待っている15分は結構長い。
特にラスト3分間が異様に長く感じる。「3分くらいならいいか」と布を引き上げたくなる気持ちを必死に抑える。「この3分を待てなかったばっかりにしっかり染まらなかったら後悔するぞ。辛抱するのだ」と。
たかが3分、されど3分で、3分で状況が激変することを我々人類はしばしば経験する。
たとえばビーフストロガノフ。
グツグツグツグツ・・・レシピでは20分煮込むことになっているが、15分経ってもなかなかとろみが出てこない。「これじゃあビーフ&しめじスープだ」と焦りながら煮ていると、ラスト3分を切った頃から鍋をかき混ぜる杓文字がにわかに重くなり、とろ〜りとしたビーフストロガノフが出来上がる。
ウルトラマンは3分間一本勝負で怪獣をやっつける。カップラーメンに至っては3分間がなかったら食品として存在しない。
3分を軽んじる者は3分に泣く。3分を制する者は世界を制す。だが朝のふとんの中での「あと3分だけ」はどうしようもないのである。
- 2020.09.09 Wednesday
- 雑感
- 08:00
- comments(2)
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- by やなぎ
3分間スピーチ、嫌な企画ですねえ。幸い私は経験がなかったですが、順番が回ってきたら出社拒否になりそう。最近はやりのエンカウンターゲームとかも大嫌いで、そこまでして知り合いたくないです(笑)